PHP - BASIC - 6. PHPの分岐構造 - 4. 論理演算子
if
文の条件式に論理演算子を使うことで複数の条件式を組み合わせて評価できます。ここでは論理演算子についておさらいしておきましょう。論理演算子の主要なものは以下のとおりです。
種類 | 演算子 | 役割 | 使い方 | 読み方 |
---|---|---|---|---|
論理積 | && | AND(かつ) | $x > 5 && $y > 2 | $xが5より大きい、 かつ、$yが2より大きい |
論理和 | || | OR(あるいは) | $x > 5 || $y > 2 | $xが5より大きい、 あるいは、$yが2より大きい |
否定 | ! | NOT(否定) | !($x > 5 && $y > 2) | 「$xが5より大きい、 かつ、$yが2より大きい」ではない ($xが5以下、あるいは$yが2以下と同じ) |
他にも排他的論理和を示す
xor
演算子や、処理の優先度のことなるand
演算子、or
演算子も存在します。
論理積( &&
)
ここではまず論理積を示す &&
演算子の使い方から見ていきましょう。次のプログラム( choice4.php
)を作成します。
<?php
$diceA = 4;
$diceB = 3;
if ($diceA >= 4 && $diceB >= 4) {
echo "Win";
} else {
echo "Lose";
}
このプログラムでは2つの変数 $diceA
と $diceB
にそれぞれ 4
と 3
を代入した後、if文の条件式において論理積( &&
)を使った条件式を定義しています。
if ($diceA >= 4 && $diceB >= 4) {
論理積( &&
)は左辺の評価結果( $diceA >= 4
)と右辺の評価結果( $diceB >= 4
)から結果を算出します。論理積( &&
)は左辺と右辺の評価結果の両方が true
の場合に、全体の評価結果として true
を返し、それ以外の場合は false
を返します。このプログラムの場合は左辺の $diceA >= 4
の評価結果は true
となりますが、右辺の $diceB >= 4
の評価結果は false
となるため、論理積( &&
)の評価結果は false
となります。そのためプログラムを実行すると画面には Lose
が表示されます。実際にプログラムを実行してみましょう。
$ php choice4.php
Lose
実行結果から論理積( &&
)による条件式の評価が上手く機能していることがわかります。さきほどのプログラム( choice4.php
)の変数 $diceB
の値を 3
から 5
に変更してみましょう。
<?php
$diceA = 4;
$diceB = 5; // edit
if ($diceA >= 4 && $diceB >= 4) {
echo "Win";
} else {
echo "Lose";
}
このプログラムの場合は左辺の $diceA >= 4
の評価結果は true
となり、右辺の $diceB >= 4
の評価結果も true
となるため、論理積( &&
)の評価結果は true
となります。そのためプログラムを実行すると画面には Win
が表示されます。実際にプログラムを実行してみましょう。
$ php choice4.php
Win
実行結果から論理積( &&
)による条件式の評価が上手く機能していることがわかります。
論理和( ||
)
次に論理和を示す ||
演算子の使い方を見ていきましょう。次のプログラム( choice5.php
)を作成します。
<?php
$diceA = 4;
$diceB = 3;
if ($diceA >= 4 || $diceB >= 4) {
echo "Win";
} else {
echo "Lose";
}
このプログラムでは2つの変数 $diceA
と $diceB
にそれぞれ 4
と 3
を代入した後、if文の条件式において論理和( ||
)を使った条件式を定義しています。
if ($diceA >= 4 || $diceB >= 4) {
論理和( ||
)は左辺の評価結果( $diceA >= 4
)と右辺の評価結果( $diceB >= 4
)から結果を算出します。論理和( ||
)は左辺と右辺のの評価結果のいずれかが true
の場合に、全体の評価結果として true
を返し、それ以外の場合は false
を返します。このプログラムの場合は左辺の $diceA >= 4
の評価結果は true
となり、右辺の $diceB >= 4
の評価結果は false
となるため、論理和( ||
)の評価結果は true
となります。そのためプログラムを実行すると画面には Win
が表示されます。実際にプログラムを実行してみましょう。
$ php choice5.php
Win
実行結果から論理和( ||
)による条件式の評価が上手く機能していることがわかります。さきほどのプログラム( choice5.php
)の変数 $diceA
の値を 4
から 1
に変更してみましょう。
<?php
$diceA = 1; // edit
$diceB = 3;
if ($diceA >= 4 || $diceB >= 4) {
echo "Win";
} else {
echo "Lose";
}
このプログラムの場合は左辺の $diceA >= 4
の評価結果は false
となり、右辺の $diceB >= 4
の評価結果も false
となるため、論理和( ||
)の評価結果は false
となります。そのためプログラムを実行すると画面には Lose
が表示されます。実際にプログラムを実行してみましょう。
$ php choice5.php
Lose
実行結果から論理和( ||
)による条件式の評価が上手く機能していることがわかります。
否定( !
)
最後に論理和を示す !
演算子の使い方を見ていきましょう。次のプログラム( choice6.php
)を作成します。
<?php
$dice = 4;
if (!($dice > 3)) {
echo "Win";
} else {
echo "Lose";
}
このプログラムでは変数 $dice
に 4
を代入し、 if
文の条件式において否定( !
)を使った条件式を定義しています。
if (!($dice > 3)) {
否定( !
)は対象となる式(この場合、 ($dice > 3)
)の評価結果( true
、 false
)を反転させる役割があります。このプログラムでは変数$diceには4が代入されているため ($dice > 3)
の評価結果は true
となりますが、否定( !
)によって評価結果が反転するため false
になります。そのためプログラムを実行すると Lose
が表示されます。それではプログラムを実行してみましょう。
$ php choice6.php
Lose
実行結果から否定( !
)を使った条件式が期待通りに動作していることがわかります。また今回のプログラム( choice6.php
) if
文の条件式は否定を使わずに以下のように書き換えることもできます。
// if (!($dice > 3)) { と同じ
if ($dice <= 3) {
まとめ
- 論理演算子によって複数の条件を組み合わせることができる
&&
は論理積(AND、かつ)、||
は論理和(OR、あるいは)を意味する!
は否定を意味し、対象となる式の評価結果(true
、false
)が反転する