前回の記事の続きです。今回はPHPを選ぶ理由についてお話します。
先に前回のおさらいをしておくと「HTML CSSの次に学ぶべき言語は?」 という疑問に対して、JavaScriptやPythonがトレンドですよ、とお話していて、でも実はJavaScriptは簡単そうに見えて難しいし、PythonだとWebフレームワークを使うので、最初に学ぶのは少し難しいかも、というお話をしていました。
そこで流行りのJavaScriptやPython以外にもHTML CSS その次に学ぶのなら、PHPという言語が学びやすいのでオススメと話していたように思います。PHPの魅力を伝えようとすると本一冊書けるくらい話が長くなる?ので、今回は「PHPの学びやすさ」についてお話していこうと思います。
てことで先にまとめです。PHPを選ぶ理由は「学びやすい」からです。それではなぜPHPは学びやすいのかというと次の3つの理由があります。
- PHPはとにかく始めやすい
- PHPのプログラムはシンプル
- ネット上に情報が充実している
それでは順番に3つの理由を掘り下げて見ていきますね。
PHPはとにかく始めやすい
プログラミング初心者にとってPHPをオススメする理由の一つは「とっつきやすさ」です。
もしMacをお使いであれば、実はPHPは標準でインストールされているので特別な準備をすることなくすぐにPHPプログラミングを始めることができます。
Windowsの場合も簡単な手順に従ってPHPをインストールすれば、PHPプログラミングを始める準備が整います。他にもXAMPPのようなソフトウェアをインストールしてPHPを始めることも簡単です。
またHTMLやCSSを記述するときにはVisual Studio Code や Brackets のようなテキストエディタを使いますが、PHPも同じでテキストエディタを使ってプログラムを記述します。
もし本格的なPHPの開発に取り組むのであれば PhpStorm のようなIDE(統合開発環境)を利用することも可能です。
と、まぁここまではPHPだけの強みというより、JavaScriptやPythonも似たような感じなので他の言語と比べて大きなアドバンテージとは言えません。PHPの「はじめやすさ」はHTMLやCSSと組み合わせたWebアプリケーションの開発にあります。
PHPはWebアプリをすぐに開発できる
PHPのはじめやすさの2つ目は「Webアプリをすぐに開発できる」という点です。
少し専門的な話になりますがプログラムを書いて、Webアプリとして動作させるためには「Webサーバ」というソフトウェアが必要になります。Webサーバと呼ばれる有名なソフトウェアにはApache や nginx などがあります。
昔はPHPでWebアプリを開発するためには予めApacheをインストールしたり、統合パッケージのXAMPPをインストールしたりして、Webサーバを自前で準備する必要があったのですが、最近のPHPにはデフォルトで「ビルトインWebサーバ」という開発に利用可能な簡易なWebサーバが付属しています。この「ビルトインWebサーバ」という便利なものを使えばPHPで書いたプログラムを簡単にWebアプリケーションとして実行できるようになります。
たとえばテキストエディタでこんなプログラム(date.php
)を書いて、
<?php
$date = date("Y-m-d H:i:s");
?>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>Hello PHP</title>
</head>
<body>
<h1><?php echo $date; ?></h1>
</body>
</html>
ターミナルから以下のように入力して「ビルトインWebサーバ」を起動すれば
$ php -S localhost:8000
ブラウザから http://localhost:8000/date.php
にアクセスしてさっと動作確認できます。
こんなに簡単にWebアプリを開発できるなんて。便利な時代になったなぁと思います。
PHPのプログラムはシンプル
続いてPHPの学びやすさの2つ目。次はPHPプログラム本体にもフォーカスしてみましょう。さきほどのプログラムをもう一度見てみましょう。
<?php
$date = date("Y-m-d H:i:s");
?>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>Hello PHP</title>
</head>
<body>
<h1><?php echo $date; ?></h1>
</body>
</html>
PHPのプログラムは開始タグ <?php
と 終了タグ ?>
の中に記述します。上記のプログラムの場合、先頭部分とh1
タグの中にPHPプログラムを記述しています。このようにPHPのプログラムは、HTMLプログラムの中に埋め込むような形で記述できます。
PHPの$
マークは変数の目印
またPHPのプログラムの面白い特徴の一つに変数名には$マークを付ける というルールがあります。
さきほどのプログラムの場合$date
というものが登場していますがこれがPHPの変数です。
プログラミング初学者にとって、英語で記述されたプログラムの中から、どれが変数でどれが関数でと識別するのは慣れないうちはなかなか難しいものです。その点、PHPの場合は $
で始まっているものは変数であると簡単に識別できます。こういうちょっとした特徴もPHPの学びやすさの一つです。
PHPは関数が充実している
PHPには大量の関数が用意されています。さきほどのサンプルプログラムの中でも、date
関数を使って現在の日時を取得しています。
PHPにはdate
関数以外にも、標準でたくさんの関数が用意されているのであるデータの文字数を調べたり、アルファベットの大文字小文字を変換したり、フォルダを作成したり、ファイルをコピーしたり、関数を使って様々なことができるようになります。
さらにPHPはオブジェクト指向プログラミングというスタンダードなプログラミング手法もサポートしているので、開発するプログラムの規模に応じてプログラムの作り方を工夫していくこともできます。
PHPはネット上に情報が充実している
PHPの学びやすさの3つ目はネット上に情報が多いという点です。PHPは長く使われているプログラミング言語であるためユーザも多くネット上に多くの情報があります。たとえば関数の使い方などわからない点があれば、関数名などでググれば多くの情報がヒットします。実際に「PHP date関数」などでググると多くの解説ページが見つかります。
もちろん、ネット上では良い記事とそうでない記事を見極める必要はあります。PHPはユーザが多くアクセスできる情報が多いという点は学びやすさの一つだと思います。
もう一つ https://www.php.net ではPHPのマニュアルが公開されています。マニュアルのほとんどのページは
日本語に翻訳されているので日本語のマニュアルを参考に関数の使い方を調べることもできます。たとえば date
関数は次のページで使い方を調べることができます。
このようなマニュアルページを参照しながら、関数に与える引数や、関数から返却される戻り値について確認できます。
まとめ
この記事では PHPの学びやすさ について3つの点から解説してきました。
- PHPはとにかく始めやすい
- PHPのプログラムはシンプル
- ネット上に情報が充実している
HTMLやCSSを通じてプログラミングに興味を持ったのであればPHPの学習はその延長線上にあります。テキストエディタを開いてPHPプログラムを記述すればすぐにWebアプリの開発を学ぶことができます。
またPHPの学習を通じて、変数や配列、if文やfor文のような制御構文、関数の使い方などに慣れておけば他のプログラミング言語を学ぶときにも応用できます。
さらにさらに、PHPは学びやすい言語であるだけでなくオブジェクト指向プログラミングや、データベースプログラミングもサポートしているので規模の大きなWebアプリの開発にも利用できます。もちろんLaravelのようなWebアプリケーションフレームワーク活用することでさらに効率良くWebアプリを開発することもできます。
以上、PHPは学びやすい言語ですよ、というお話でした。
PHPでもPythonでもJavaScriptでも何でも良いので、プログラミングに興味を持ってもらえると嬉しいです。